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ストレスと顎関節 あなたの顎とあなたの健康

薬が効かない時に・・・・・・
“歯科的なストレス”というと殆どの人は、いわゆるむし歯の痛みを想像致します。
むし歯の痛みの場合には、通常激しい片頭痛や、背中や首筋の痛み、耳の灼熱痛などは伴いません。また、一見歯とは関係のないように見える目まいや慢性的な疲労感、精神的なイライラ、耳鳴りや耳の閉塞感、一時的な難聴、嚥下困難、記憶の一時的喪失、関 節炎様の節々の痛み、身体の部分的麻痺感などが実は歯の咬み合わせなどと関連している事もあまり知られていません。
然しながら少なくとも5000万人のアメリカの人々は、“歯科的ストレス”が直接の原因で発病する上記のような様々な症状に悩まされています。
通常、一般医学教育の中では歯と顎骨との関係、並びに顎と全身との位置的な調和についての教育は行われていないために、一般医で診断してもらえる事は殆どありません。
また、歯科医師の中にもその仕事が患者さんの全身の健康にどの位強く結びついているかを認識していない人がかなりあります。
その結果、多くの慢性患者の方々は効きもしない強い薬を使いながら、各専門医の間を次から次へと渡り歩く事になります。
更には痛みが耐えられない程ひどい場合など、全く不必要な手術を受ける事になってしまったり、精神科へ紹介されてしまう場合すらあります。
精神科ではその原因を認識せずに、症状のみに囚われがちであるため、当然の事ながら治療効果はありません。
その原因は多くの場合、顎と顎関節(下顎が頭蓋骨に蝶番によってつながっている関節)との不調和にあります。
この部分には数多くの神経や小血管が分布しているため、位置的にずれを起こした関節は激痛を起こす事があり、この痛みは顎の位置を正しく直さない限り良くなる事はありません。
ずれた顎の位置を正しくするためには、口の中に(あまり目立たないものですが)咬合床(バイトプレート)をはめるような方法から、歯並びを変えたり、歯の咬み合う面の傾きを部分的に削って改善するような方法まで様々な治療法がとられます。
入院や手術を必要とする事は滅多にありません。
治療は歯科医への数回の通院で済み、その治療も殆ど痛みを伴わないのが普通です。
そして殆どの場合、劇的に症状が緩解するでしょう。
これまでの治療統計がそれを証明しています。
図1及び図2を見ますと、顎関節の位置異常(不調和)がどのように血管や神経や筋肉に影響を及ぼし、激しい頭痛や耳の痛みの原因になるのかがよく判ります。
ではその事が体のその他の部分に及ぼす影響について考えて見て下さい。
顎の位置のずれはその他の関節や神経、筋肉、血管などにも波及して参ります。
自然の道理として体に起こった一つの問題を補整しようとする事によって次の問題が引き起こされてくる訳です。

顎関節の位置異常に基づく“歯科的ストレス”はこの関節の特殊性から言って逃れる事が難しく、この種のストレスの中で最悪のものと言えます。
例えば傷ついた肋骨は使わないようにして休息させる事が可能ですが、顎関節を全く使わずに休ませる事は不可能です。
私達は気付かない中に一日数百回も呑み込みの運動をしますし、寝ている間にも歯を咬みしめたり歯をすり合わしたりする運動を行います。
このような運動を行うたびに上下の歯は、ずれた位置で噛み合う事になり、それがストレスとなってしまいます。
下顎の筋肉は上下の歯の噛み合わせのずれを補整しようとして、下顎に緊張した不自然な位置をとらせようとします。
その結果、間もなくこの緊張は連鎖反応的に全身に広がります。
有名なある顎関節治療の専門家は、この連鎖反応を靴の中に鋭い小石が入っている場合に例えて説明しております。
この場合、つま先やかかとだけを使って変な格好で歩けば、直ちにその小石による痛みを避ける事が可能ですが、間もなく、くるぶしやふくらはぎ、ひざ、腰、更には背中の下の方まで凝ってきたり傷んだりするようになります。
丁度、顎関節の場合、顎のずれを頭、首、肩などの筋肉が補整しようとするのと同じです。
唯一の違いは顎関節症の患者さんの場合、単に小石を靴から取り出して問題を解決するという訳に行かない事です。
このような患者さんは夜となく昼となく苦しめられる事になります。
一体何故、顎関節の不調和が起こるのでしょう?
顎関節や下顎、または歯などの機能異常は何が原因で引き起こされるのでしょう?
症例によっては生まれる時に原因がある事があります。
例えば鉗子分娩です。
咀嚼や嚥下の悪習慣はよく見られる原因です。
その他にも様々な病因を考える必要があります。
例えば異常咬合(顎の位置異常を伴う場合と伴わない場合とがあります。)歯の早期喪失、噛み合わせが低くなった場合、義歯や充填物、金属冠などの咬み合わ せが良くない場合、歯の萌出異常、常にパイプを噛んでいる癖のある人、口の悪癖(例えばペンや鉛筆を咬む癖など)、片側でのみ咀嚼する癖の人など、またそ の他に顎関節自体の病気による場合などもあげる事ができます。
さらに姿勢の悪さや仕事上の習慣などから起こる事もありますし、怪我が原因となる事もあります。
また、このような連鎖反応的に波及する筋肉の痛みなどの症状は、必ずしも顎から下方へ向かうのみではなく、体の他の部分から上方へ(顎の方へ)波及する事もあります。
例えば一方の足が他方よりやや短い場合とか、下顎に異常な圧力がかかるような背中の固定装置や牽引装置を着用しなければならないような場合です。
皮肉な事にこのような顎関節症の患者さんは歯や歯ぐき、歯槽骨などには問題がなく、至極健康的な事がよくあります。
誰があなたを助けてくれるのでしょうか?只今あなたが相談している歯科医は歯と頭、首、及び背中の骨格筋との微妙な関連についてよく理解しております。
彼は顎関節機能異常についての歯科医及び医師の国際的機関であるThe American Equilibration学会をはじめとして国内の各種の学会を通じてよく研修しております。
これらの学会の会員は定例の会を通じて、顎関節の研究と治療法についての最新の情報を交換し合っております。
この専門家達によって数多くの顎関節症の患者さん達が救われてまいりました。
もしもあなたの症状が以上述べてきました症状にあてはまると思えたら、是非このような専門家と相談なさってみられる事をお勧めいたします。

 

本内容はThe American Equilibration学会のメンバーによって患者さんのために用意されたものです。
The American Equilibration Society, 8726 North Ferris Avenue, Morton Grove, Illinois.
60053U.S.A. 訳 藤本順平
日本歯科医師会雑誌第37巻8号(1984)に掲載

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